最近増えてきている有機無農薬推しの飲食店に一言。

「農薬を使っていなければ良い」というような単純な問題ではなく、「農業における全ての問題や課題は、フェアで広い視点から捉えなくてはならない」。


有機無農薬栽培は、あくまで方法の一つにすぎず、メリットも、デメリットも多分にあります。

それを理解している生産者や飲食店は、自身の価値観や考え方は別としても、農薬を一方的に悪者扱いしないはずです。


飲食店は、客に自慢の料理を提供すると同時に、その料理に使われた農産物、ひいては、その料理を食べる人の農業全体に対するイメージを左右する場所でもあります。


料理をする人が、客に、「有機無農薬だから環境にも健康にも良くて、美味しいんですよ」と言った時点で、客に対して、「農薬を使った野菜は環境にも健康にも悪くて、味も劣るんだな」という、全く根拠のないイメージを擦り込むことになるのです。

そして、そのようなことが起きるのは、料理をする人がフェアで広い視点を持てていないからに他なりません。


そのように、消費者に対して、飲食店はマスコミと同レベル以上の食の情報提供の場所になっているんです。


だからこそ、農業と切っても切れない関係である飲食業の方々には、フェアで幅広い視点で農業を捉えて頂きたいと思うのです。


もちろん、その上で無農薬や有機栽培を推すのは、お店の経営戦略でもありますから、文句は言わないし、是非そうしてくださいとも言えるのですが、現時点でそのようなフェアな視点を持つお店が多いかというと、決してそういう訳ではありません。


農薬の使用不使用のみを根拠として、生産物や生産者を選ぶ行為は、単なる農家差別以外の何者でもありません。